園だより
平成30年10月号より

 朝夕がめっきり涼しくなって、秋の訪れを感じられるようになってきました。今年は全国的な猛暑に加え、西日本の台風と北海道の地震が強く印象に残る夏となってしまいました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被害にあわれた皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。ここ数年の夏は台風やゲリラ豪雨、冬は大雪と、毎年のように自然災害に見舞われることが多くなりました。これも地球温暖化による影響なのかどうかわかりませんが、私のこどもの頃とは明らかに変わってきています。人類の科学は劇的な進歩を遂げていますが、自然の前にはいかに無力なのかを思い知らされているようにも思えます。あらためて、人類は所詮自然の一部に過ぎないのだと感じる今日この頃です。
 
 さて、最近話題の全米オープンテニス、女子シングルス決勝。見事優勝を果たした大坂なおみ選手の成長ぶりには本当に驚かされました。そしてあの純粋さと謙虚さ、愛嬌のあるインタビューを見ていると、本当に心から応援したくなる選手だと感じます。まだ若干20歳の大坂選手、これからの活躍が本当に楽しみです。
 一方、今回のこの決勝ではもう一つ大きな問題が話題となっています。皆さんもご存知の通り、女子テニス界のレジェンドともいうべき元世界ランキング1位のセリーナ・ウィリアムズ選手の試合中の暴言や態度です。その後のウィリアムズ選手の性差別発言を含め今だに賛否両論が巻き起こっています。私は正直なところテニスのルールなどに詳しいわけではないので、審判の判定が正しかったかどうかという点ではよくわかりません。しかし、私も若い頃からスポーツを経験してきた者として、仮に審判の判定が正しくなかったとしても、あの暴言や態度は如何なものかと思いますし、あの様にいつまでもその時の感情に頭が支配されていたという点で、既に勝敗は決していたのだろうと思います。スポーツというのは単に技術の差だけで勝敗が決まるわけではありません。戦術面や心理面での相手との駆け引き、刻々と変わる状況をいかに感じて対応できるか、それには常にその状況を見極めて状況判断をする冷静さがなければ瞬時にベストな判断を選択することができません。その点で、今回のウィリアムズ選手は大阪選手に大きく劣る結果となってしまいました。
 これはスポーツの世界だけでなく、私達の人生においても通じるものがある様に感じます。人間ですから、様々な出来事に様々な感情が湧くのは当然のことです。また、真っ先に沸く感情は自分中心の見方においての感情という事が多いでしょう。しかし、その一時の感情で発言をしたり行動したりした事で、周囲から批判を受けたり、後々冷静になった時にその言動に後悔したりしたことはないでしょうか。一生懸命だからこそ熱くなるということもあるかもしれませんが、一生懸命である熱い心と一時の感情によって沸騰してしまった心の熱さとは、全く違うものです。自分の心を常に冷静にコントロールできることは、人生の中でとても大切な事なのだとあらためて感じた出来事でした。子どもたちにも、これから先是非身につけて欲しい力のひとつです。
 
 
園長 藤本 志磨